「オリエンタル調の香り」ってどんな香りなの?

オリエンタル調の香り・・・よく使われる香りのカテゴリー表現の一つを、香素材も含めお話しします。

調香師 堀田龍志 (2013.04)

オリエンタル調で使用される代表的素材

 写真提供:(株)日本香堂

2013 4 9 原料送付用写0002.jpg2013 4 9 原料送付用写0001.jpg 沈香120.jpg    2013 4 9 原料送付用写0003.jpg

     Sandalwood(白檀)の木       Clove Bud(丁子)         ベトナム産沈香の香木           安息香

「オリエンタル調」と呼ばれる背景

みなさんも「オリエンタル調」という言葉はよく耳にするかと思いますが、実際にどんな香りなのか

表現に困ったことはありませんか?

そもそも“オリエント(ORIENT)”とは、「(太陽が)昇る」という意味のラテン語“オリーリ(ORIRI)”から

派生した“オリエーンス(東)”と言う言葉に由来していると考えられ、ヨーロッパの人達から見て

太陽が昇る東の国々「オリエント地方」は、神秘的で、魅惑に満ち溢れた遠い異郷の地であり、

ヨーロッパにはないエキゾティックな香りを放つ憧れの地を意味する言葉です。

そして彼らの憧れのミステリアスな東の地“オリエント”のイメージを、香りの世界で表現したのが

「オリエンタル調」と呼ばれる香りのカテゴリーなのです。

「オリエンタル調」の特徴と使われる代表的原料

その特徴ある香りは、独特の甘さの有るアンバーやバニラの香りを中心に組み立てられていて、

トルコや中近東の国々のケーキやお菓子の香りの中に有るようなウッディーなニュアンス2013 4 9 原料送付用写0002.jpgを持ち、

エキゾティックで甘く暑く、少々蜂蜜様の香りも混ざった独特の雰囲気が有ります。

クラッシックなオリエンタルノートには、クマリン、バニリンといった甘さの有る香料と、パチュリー、ベチバー、サンダルウッドなどのアジアにしか産することのない天然のウッディー系香料、そしてベルガモットなどのシトラス香料、

更には古の時代からオリエント地方の代表的香料として珍重されて来た各種の芳香樹脂香料(乳香、没薬、安息香など)が混合されています。2013 4 9 原料送付用写0001.jpg

当然の事ですが、香りに広がりとふくよかさを与える為に、アンバーやムスク等の香料も使われるのが一般的です。

更に東洋の暑い感じを表現するのに、ペッパーやクローブ(丁子)、ナッツメグなどの香辛料系香料もよく使用されます。

「オリエンタル調」の名香

1889年に発売されたゲランの香水“JICKY(ジッキー)”をはじめ、これまでに多くのオリエンタル調フレグランスが世に送り出されて来ていますが、私が個人的にもっともその香りの特徴が上手く表現されていると思うのが、ゲラン社の“SHALIMAR(シャリマー)”です。

ゲラン独特のパウダリースウィートなタッチが、バニラの効いたアンバーの香りから醸し出され、ベルガモットやレモンのシトラスノートと絶妙のコンビネーションを作り上げています。

正にオリエンタルの王道を行く香りで、1925年に発売されて以来今でも世界中の女性を魅了し続けている名香なのです。

                         Shalimar.jpg